為替介入研究所 会則
Rules and Research Constitution of the FX Intervention Research Institute
制定:2026年8月8日
運営法人:AI MQL合同会社
Version 1.0
前文
為替介入研究所は、外国為替市場における政府、中央銀行その他通貨当局による市場介入、その発動条件、執行条件、資金調達、市場への影響および持続性を、検証可能な方法によって研究する。
本研究所は、円高を支持するために存在しない。
円安を支持するためにも存在しない。
政府、市場参加者、中央銀行その他いかなる主体の主張も、その主体の権威を理由として真実とは認定しない。
本研究所が依拠するものは、公的一次資料、原観測市場データおよび再現可能な計算過程である。
本研究所は、自らの研究結果についても権威を主張しない。
第三者が本研究所を信用しなくても、同じ証拠から同じ結論を追試できる状態を目指す。
誤りが判明した場合は、過去の結論を守らず訂正する。
仮説が反証された場合は、仮説を撤回する。
確認できない場合は、「確認できない」と結論する。
人工知能は研究を拡張する重要な手段であるが、人工知能そのものを証拠とは認めない。
そして本研究所の究極の目的は、為替介入を恒久的な研究対象として維持することではない。
市場の価格発見機能が正常に機能し、為替介入を常態的に必要としない状態が実現し、本研究所そのものが不要になることを最終到達点とする。
第1章 総則
第1条(名称)
本組織は、「為替介入研究所」と称する。
英文名称その他ブランド名称は、運営法人が別途定める。
第2条(運営主体)
- 本研究所は、AI MQL合同会社が運営する研究部門とする。
- 本研究所は、別途法人化されない限り、独立した法人格を有しない。
- 本研究所の研究上の独立性は、本会則の定めるところによる。
第3条(目的)
本研究所は、以下を目的とする。
一 為替介入の発動、執行および効果を定量的に研究すること。
二 為替介入に関連する市場データ、公的資料および政策情報を継続的に記録すること。
三 市場参加者にとって有用な検証済み情報を提供すること。
四 為替介入に関する事実、推計および仮説を明確に区別すること。
五 第三者が研究成果を検証および追試できる基盤を構築すること。
六 市場の正常化および為替介入の必要性そのものを継続的に検証すること。
第4条(基本理念)
本研究所は、次の原則を最上位の研究規範とする。
Evidence over Authority.
Verification over Trust.
Correction over Reputation.
権威より証拠を、信用より検証を、面子より訂正を優先する。
本条の原則は、次の一文に集約される。
Don't trust, verify.
信用するな、検証せよ。この原則は、本研究所自身の研究成果に対しても適用される。
第2章 研究上の中立性
第5条(機関としての中立性)
- 本研究所は、円高または円安の実現を研究目的としてはならない。
- 本研究所は、為替介入の実施または不実施をあらかじめ支持する立場を採らない。
- 本研究所は、特定の政党、政権、行政機関、中央銀行、市場参加者、金融機関その他の主体を支持または批判することを研究目的としてはならない。
- 観測結果が本研究所または運営法人の利益に反する場合でも、その事実を理由として研究結果を変更してはならない。
第6条(研究者個人の見解)
- 研究者、役職員その他関係者が個人的な政策的、経済的または市場的見解を持つことを妨げない。
- 個人的見解を公表するときは、Research、Data、Factその他研究所による確認済み情報と明確に区別する。
- OpinionをFactとして表示してはならない。
第7条(正常・異常の認定)
「正常な市場」「異常な市場」「信認低下」「市場機能不全」その他評価を伴う用語は、それ自体を事実として使用してはならない。
使用する場合は、その判定指標、測定方法および基準を可能な限り明示する。
第3章 証拠原則
第8条(証拠として認めるもの)
本研究所における事実認定の根拠は、原則として次のいずれかとする。
一 財務省、日本銀行、FRB、NY連銀、米財務省、CFTC、BLSその他公的機関が直接公表した資料。
二 法令、議事録、公式会見録、統計原表その他公的な一次記録。
三 OANDAその他データ提供主体から直接取得した価格、金利その他の原観測市場データ。
四 本条各号のデータから、公開された計算方法によって生成した派生データ。
第9条(二次資料)
- 新聞、通信社、テレビ、金融機関、証券会社、投資銀行、ヘッジファンド、シンクタンク、アナリストその他第三者による記事、レポート、分析、推計および見解は、原則として研究上の最終証拠としない。
- 前項の資料を、情報発見または一次資料探索の端緒として利用することを妨げない。
- 二次資料から得た情報を研究成果に使用する場合は、原則として根拠となる一次資料まで遡る。
- 一次資料が確認できない場合は、その事実をUNVERIFIEDとして明示する。
第10条(証拠階層)
本研究所は情報を、少なくとも次の4状態に区分する。
FACT / CONFIRMED
一次資料または原観測データにより確認済み。
ESTIMATE / ESTIMATED
確定資料公表前の推計値その他計算によって推定したもの。
HYPOTHESIS
観測事実を説明するために提出された仮説。
UNVERIFIED
確認に必要な証拠が存在しない、取得できない、または未公表であるもの。
第11条(証拠状態の偽装禁止)
- ESTIMATEをFACTとして表示してはならない。
- HYPOTHESISをFACTとして表示してはならない。
- UNVERIFIEDな情報を、蓋然性が高いことのみを理由としてCONFIRMEDへ変更してはならない。
- 後日確認された情報について、当初から確認済みであったかのように履歴を書き換えてはならない。
第4章 人工知能の利用
第12条(AIの原則的位置付け)
AIは証拠ではない。AIは証拠を探索、整理、解析および検証するための道具である。
第13条(AI利用の範囲)
人工知能は、次の用途に利用することができる。
データ探索、資料分類、構造化、統計計算、異常検出、自然言語処理、仮説生成、反証候補生成、コード生成、資料照合、研究監査その他合理的な研究補助。
第14条(AI出力の事実認定禁止)
- 人工知能が生成した文章、数値、引用、出典、統計、分類、推計その他一切の出力は、それ自体をもってFACTと扱ってはならない。
- AI出力を研究成果に用いる場合、その根拠を一次資料、原観測データまたは再現可能な計算によって検証する。
- 検証できないAI出力は、原則としてUNVERIFIEDまたはHYPOTHESISとする。
第15条(AIによる情報補完の禁止)
AIは、存在を確認できない次の情報を推論によって事実として補完してはならない。
価格、日時、発言、統計値、介入額、介入時刻、人物、出典、文書内容、欠損観測値その他研究結果に影響を与える情報。
第16条(推定・補間)
欠損値の補間、モデル推定または予測を行う場合は、
実測値と推定値を区別し、手法、対象範囲、パラメータおよび研究結果への影響を記録する。
第17条(AI監査)
研究上重要なAI出力については、可能な限り、
別モデル、別アルゴリズム、通常のプログラム、人間による再計算その他独立した方法によって確認する。
結果が一致しない場合、その不一致を隠してはならない。
第5章 研究方法
第18条(研究課題)
研究開始時には可能な限り、
Research Questionを明確に定義する。
結論を先に定め、その結論を支持する証拠のみを探索することを禁止する。
第19条(事前定義)
重要な定量研究では、可能な限り観測結果を見る前に、
変数、対象期間、閾値、エピソード定義、評価指標、反証条件その他主要な分析条件を記録する。
第20条(反証可能性)
- HYPOTHESISを公表するときは、可能な限り反証条件を同時に提示する。
- 仮説を支持する事象のみを列挙してはならない。
- 仮説に対する合理的な代替説明が存在する場合、その存在を明記する。
第21条(相関と因果)
相関関係、同時発生、時間的先行その他のみを理由として因果関係を断定してはならない。
交絡変数、逆因果、サンプル依存その他の可能性を検討する。
第22条(標本数)
統計的検定または一般化を行う場合、標本数、独立性、打ち切り、選択バイアスその他研究上重大な制約を明記する。
統計的に結論できない場合、「結論できない」を正式な結果とする。
第23条(後知恵の禁止)
研究評価では、各時点で市場参加者または研究所が利用可能であった情報と、後日判明した情報を区別する。
後日確定した事実を用いて、当時の予測が最初から正しかったかのように表示してはならない。
第6章 再現性およびVCP
第24条(再現可能性)
本研究所は、第三者が可能な限り同じデータと同じ方法から同じ結果を再生成できることを研究標準とする。
第25条(Research Evidence Package)
重要な研究成果については、可能な限り次の情報を保存する。
原データ、出典、取得日時、タイムゾーン、処理コード、計算式、設定値、生成データ、研究本文、反証条件、訂正履歴およびハッシュ値。
第26条(VCP)
- 研究成果の来歴、真正性および変更履歴の検証について、VeritasChain Protocolその他適切な検証技術を利用することができる。
- VCPの目的は、研究結果自体の正しさを自動的に保証することではない。
- VCPは、研究結果がどの証拠から、どの処理を経て、いつ生成され、その後どのように変更されたかを検証可能にするために利用する。
第27条(ハッシュおよび改ざん検知)
重要な研究成果および入力データには、可能な限り暗号学的ハッシュその他改ざん検知可能な識別子を付与する。
第28条(データ来歴)
最終的には、
公表された主張 → 算出結果 → 処理コード → 入力データ → 原典
まで追跡できる状態を目標とする。
第7章 訂正、撤回およびバージョン管理
第29条(結論保護の禁止)
本研究所は、
過去の研究結果、研究者の名誉、ブランド価値、運営法人の利益、加入者数、SNS上の評価その他を守る目的で研究結果を維持してはならない。
第30条(訂正義務)
重大な誤りを認識した場合、合理的な期間内に訂正する。
第31条(撤回)
研究の前提、データ、計算または方法に重大な瑕疵があり、結論を維持できない場合、研究成果の全部または一部を撤回する。
第32条(履歴保存)
- 訂正または撤回した研究成果は、原則として削除しない。
- 旧版を閲覧可能な状態で保存する。
- 変更日時、変更内容および変更理由を記録する。
- 研究成果は原則としてバージョン番号を付与する。
第33条(撤回の評価)
撤回は研究上の失敗ではない。誤りを認識しながら訂正しないことを研究上の失敗とする。
第8章 速報および情報配信
第34条(速報と確定情報)
X、Discord、Web、APIその他による速報についても、本会則の証拠基準を適用する。
第35条(介入速報)
為替介入が疑われる場合でも、公的確認前には原則として、
INTERVENTION SUSPECTED
その他未確定であることが明確な表示を行う。
確認後に、
CONFIRMED
等へ更新する。
第36条(煽動的表現の禁止)
証拠によって支持されない、「介入確定」「弾切れ」「○円絶対防衛」「円崩壊」その他強い断定を、アクセス数、販売、SNS拡散その他を目的として使用してはならない。
第37条(速報の最低要件)
重要速報では、可能な限り、
何が観測されたか、何が確認済みか、何が未確認か、および何が判明すれば確定できるかを示す。
第9章 利益相反および取引
第38条(利益相反)
研究者、運営法人その他研究に関与する者が、研究対象となる金融商品について経済的利害を有する場合、その利害が研究結果へ影響しないよう管理する。
第39条(未公表研究の利用禁止)
- 本研究所の未公表研究、介入検知、速報予定情報その他内部情報を利用し、公開前に自己または第三者の利益のため金融取引を行ってはならない。
- 公開前情報を特定の顧客、役職員、関連会社その他へ選択的に提供してはならない。
- 詳細なブラックアウト期間その他取引規制は、別途内部規程として定めることができる。
第40条(ResearchとTradingの分離)
AI MQL合同会社または関連主体が自己勘定取引、アルゴリズム取引その他金融取引を行う場合、
研究部門と取引部門との間に必要な情報障壁を設ける。
第41条(フロントランニングの禁止)
本研究所が公表予定の速報、研究、シグナルその他によって市場参加者の行動へ影響が生じる可能性がある場合、それに先行して利益を得ることを目的とする取引を禁止する。
第10章 研究成果と投資判断
第42条(売買推奨との分離)
本研究所による研究結果は、原則として金融商品の売買を直接推奨するものではない。
第43条(確率と意思決定)
「介入可能性が高い」「円ショートが増加した」「政策信認リスクが上昇した」等の研究結果と、
「ドル円を売買すべきである」という投資判断は区別する。
第11章 情報管理
第44条(原データ保存)
研究に用いた重要な原データは、合理的な範囲で保存する。
第45条(取得時刻)
時系列データおよび公表資料は、可能な限り取得日時を記録する。
第46条(タイムゾーン)
外国為替研究において時間の解釈が重要であるため、JST、UTC、ETその他使用したタイムゾーンを明記する。
第47条(データ変更)
原データをクリーニング、補正、変換その他加工した場合、可能な限り元データを残し、加工方法を記録する。
第12章 研究所の評価
第48条(成功指標)
本研究所は、介入回数、速報件数、アクセス数その他研究対象の増加そのものを成功とは定義しない。
第49条(究極的成功)
次の状態が長期的に実現した場合、本研究所はその状態を歓迎する。
為替介入の必要性が低下し、市場の価格発見機能が安定し、介入警戒そのものが主要な価格形成要因ではなくなること。
第50条(自己不要化原則)
本研究所の究極的成功は、本研究所が必要とされなくなることである。
研究所の存続そのものを目的化してはならない。
第13章 ガバナンス
第51条(所長)
本研究所に所長を置くことができる。
所長は研究所の運営を統括するが、研究結果を特定の方向へ変更する権限を有しない。
第52条(研究責任者)
各主要研究には、可能な限り責任者を定める。
責任者は使用データ、手法、結論および訂正について説明可能な状態を維持する。
第53条(研究監査)
重大な研究成果について、可能な限り執筆者以外によるレビューを行う。
AIをレビュー補助として利用することを妨げないが、AIレビューのみをもって研究結果の真正性を保証したものとはしない。
第54条(運営法人からの独立)
AI MQL合同会社は、売上、取引損益、顧客獲得、広報その他事業上の都合を理由として研究結果の変更、非公開化または撤回阻止を行ってはならない。
第14章 不正行為
第55条(研究不正)
次の行為を重大な研究不正とする。
データ捏造、データ改ざん、存在しない出典の作成、都合の悪いデータの意図的排除、確定情報と推計情報の故意の混同、研究履歴の隠蔽、AI生成情報の未検証な事実化その他研究の真正性を損なう行為。
第56条(重大違反への対応)
重大な研究不正が確認された場合、該当研究の撤回、研究権限停止、内部調査その他必要な措置を取る。
第57条(誠実な誤り)
故意または重大な過失によらない計算ミス、解釈ミスその他誠実な研究活動の過程で発生した誤りは、訂正が適切に行われる限り、研究不正と同一視しない。
第15章 不確実性
第58条(不明を認める義務)
本研究所は、証拠不足にもかかわらず結論を生成することを要求しない。
次の表現は正式な研究結果として認める。
- 不明。
- 確認不能。
- 識別不能。
- 標本不足。
- 統計的に結論できない。
- 一次資料未公表。
第59条(無回答の優先)
不正確な答えを出すことと、回答を保留することのいずれかを選択しなければならない場合、研究上は回答保留を優先する。
第16章 公開原則
第60条(公開研究)
研究成果は、可能な限り一般の第三者が検証可能な形式で公開する。
第61条(非公開情報)
個人情報、営業秘密、契約上公開できない情報、セキュリティ上公開が不適切な情報その他合理的な理由がある場合は公開対象から除外できる。
この場合でも、研究結果の検証可能性を著しく損なわない方法を検討する。
第62条(研究フォーマット)
主要研究は原則として、
Question → Data → Method → Observation → Hypothesis → Alternative Hypotheses → Falsification → Limitations → Evidence → Version History
の構造を基本とする。
第17章 改正
第63条(会則改正)
本会則を変更する場合は、改正日および変更内容を記録する。
第64条(過去版保存)
会則改正後も過去の会則を原則として保存し、研究成果がどの時点の規則に基づいて作成されたか追跡可能にする。
第65条(原則の後退)
一次資料主義、研究上の独立性、訂正義務、証拠状態の分離その他研究の真正性に関する基本原則を弱める改正を行う場合は、その理由を明示する。
第18章 最終原則
第66条(研究所が守るもの)
本研究所が守るべきものは、過去の結論でも、研究者の相場観でも、運営法人の立場でもない。
検証可能性である。
第67条(市場および当局との関係)
本研究所は市場を敵としない。
政府を敵としない。
中央銀行を敵としない。
研究所の役割は、誰が正しいかを先に決めることではなく、何が起きているかを測定することである。
第68条(最終使命)
市場参加者による価格発見が十分に機能し、為替介入を常態的に必要としない市場が実現した場合、本研究所はその状態を研究上の成功と認定する。
We study intervention so that one day, intervention no longer needs to be studied.
附則
本会則は、2026年8月8日から施行する。
本会則制定前に作成された研究についても、可能な範囲で本会則に沿った証拠状態、訂正履歴および来歴情報を付与する。